メンタルと歩くときの歩幅の関係

他人のメンタルの状態というのは、外見だけではっきりと認識できるものではありませんが、歩くときの歩幅とメンタルには密接な関係があることがわかりました。他人の歩幅を観察することで、その人のメンタルの状態をある程度は把握できるのです。ある介護チームは、高齢者を対象にして歩くリズムと歩幅についての調査を実施しました。調査結果を解析すると、歩くリズムに関してはメンタルとの関係性がほとんど見受けられませんでした。確かに歩くリズムというのは加齢に伴い徐々に遅くなっていきますが、これは運動機能の低下を起因とするものでメンタルの影響はあまり受けていないのです。その一方で歩幅に関しては、メンタルの状態が悪くなればなるほど歩幅も狭くなるという調査結果が出ました。メンタルが低下している高齢者の歩幅を測定すると、ほとんどの人が同年代の平均歩幅を大きく下回っていたのです。そして歩幅というのは、脳から出る神経線維の働きに大きく左右されていることが判明しました。

メンタルが悪化しているときに、一定の歩幅を保てなかったり斜めに歩いてしまったりと、歩きづらさを感じたことはないでしょうか。このような歩きづらさを感じると、人間の脳は歩幅を狭めることで正常な歩行をキープしようとするのです。そのため、メンタルの悪化を自覚したときは、意識して歩幅を広くした状態で歩くことが推奨されています。調査した介護チームは、広い歩幅で歩くことで脳が刺激され高齢者のメンタル改善につながることを期待しています。